◇越後妻有トリエンナーレ

sekaino_owari2006-08-13

 夏休みがあったので噂の越後妻有トリエンナーレに行ってきた。
 詳細は検索してもらったほうが早いので、割愛するけれど、とにかく、このイベントは今年で三回目、トリエンナーレというように、九年間活動しているイベントだ。ちなみに、あの有名なベネチアビエンナーレは50周年だったような。ようは越後妻有もなかなかに息の長いイベントだということだ。
 そのせいか、どうかは定かじゃないけど、このイベント、現代アートを扱う割にはやたらと地元民の観覧者が多かった。あるお寺で僕が展示を見てたとき。サンダルを履いて外にでると、軽トラックでおじいちゃんがやってきた。で、ぼくに訊いた「ここにはどんなアートがあるんだい」そういうわけで僕はそこでの展示を簡単に説明したわけだ。他の展示でもやたらと地元民に出会った。こういうのってなかなか無い。というのもベネチアしかり、横浜、水戸しかりという按配で、この手のアートイベントは内外の現代アート好きが集まるってのが通常の形態なのね。ところが、ここではおよそ現代アートなんてものには縁のないようなおじいちゃん、おばあちゃん、こどもが展示会場に集まってきている。これってすごく貴重なことだなぁ、とひとしきり関心しました。
 また地元民が集まるってことはそこに交流が生まれるわけだよなぁ。現代アートは正直よくわからん作品が多い。それだけに解釈はひとそれぞれで、それがまたいいところ。それを分かちあうのもなかなかに楽しいわけだ。孫連れのおじいちゃん、おばあちゃんがその作品の解釈をたまたま来てた観覧者に求める、なんて風景もあった。作品がコミュニケーションのツールとして働く、そしてそこに人のつながりが生まれていく。
 越後妻有は村興しとしての性格も強い。そこで地域密着型の作品制作を通して地元民を巻き込み、結果的に作家と地元、観覧者と地元の交流を作り、そして人脈ができていく。こういうサイクルを生み出すことで村興しとしての機能は十分に果たしているんじゃないだろうか。三年後の2009年には県からの補助金がなくなるらしいけど、イベントが継続されるといいな、ってほんとに思う。